ドローンペイロード市場
2021年までに77億2000万米ドルまで拡大

2.2.2 利用可能な帯域幅による制限

防衛向けUAVの機能が制限される要素の一つに,戦場における帯域が限定されていることがある。こうしたUAVは未処理の画像データを転送するため大量の帯域を消費するのである。防衛向けUAVに装備されたセンサーは複数の動画ストリームを,GPS,偽水平・偽垂直,飛行速度などのメタデータと共に提供しなければならない。

帯域に制限があれば,地上管制局と戦場に置かれた外部ユニット間の転送データを制限せざるを得なくなる。帯域全てをUAV生成データの転送に当てることはできない。重要な命令や軍事行動を支援する様々な機能を統括する戦術コミュニケーションも同じく帯域を用いて行われるからである。すなわち高い圧縮率,低い遅延性,低帯域の利用などがUAVデータ転送の重要な要件となってくる。

2.3 機会
2.3.1 商用アプリケーションにおける利用の拡大

規制緩和の影響もあってUAVの商用利用はますます拡大している。精密農業,公共安全,空撮,インフラ監視などその用途は幅広い。こうした用途では,広い地域に点在する対象からのデータをまとめる必要があるため,移動性と高品質なデータ収集能力を兼ね備えたドローンが適している。ドローンはまた,例えば大規模な投資計画,インフラ監視にも利用される。マクロプロセッサ,GPS,センサー,電池,モーター,軽量化素材の開発などから,商用アプリケーションにおけるドローンの利用は今後も増加すると見られている。

2.4 課題
2.4.1 プライバシーとセキュリティへの懸念

私有地の上空を飛行し,画像を転送することにより監視を行うドローンにはプライバシー及びセキュリティに関する懸念がつきものである。ドローンの飛行高度は人の視界を超えている。またドローンは小さく操作しやすいよう設計されているため,気付かぬうちに監視されているのではないか,という点が常に懸念材料となってきた。

これに対抗するため,連邦航空局などの政府機関は,プライバシーを侵害するようなドローンの利用を禁じる様々な法制を整備する努力を続けて来た。どのようなデータが収集され,どのように利用されたか,あるいは第三者へ販売されたか,連邦航空局によってデータ収集記録の提出を求められるケースもある。こうした規制はある程度必要なこととはいえ,民間におけるドローンの普及を抑制していることは間違いがない。

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