4.2 テラヘルツ分光法
テラヘルツ分光法はポリマー,半導体,セラミクス,ガラス,有機分子,導電性フィルム,液晶,複合材などの非破壊試験やその他の分析に使われてきた。手らヘルツ分光法はまた生体組織にも用いることができる。例えば水分の保有量や濃度で腫瘍箇所を特定するなどの可能性がある。
また,爆発物や武器の所持を感知し,無線でデータを送信することも可能である。
テラヘルツはマイクロ波と赤外線の間に存在し,ごく最近までその照射は技術的に困難であるとされてきた。しかし,2015年8月になると,“Tunable Surface Plasmon Instability Leading to Emission of Radiation”と題された論文がJournal of Applied Physicsに掲載され,コヒーレントなテラヘルツ光源を実現可能な新たな方法が提示された。論文中では静電界を波長可変のテラヘルツ光源に転換するデバイスが提案されている。デバイスが商用化されれば,テラヘルツ利用が各業界で進むと期待が寄せられている。
5. おわりに
プロセス用分光機器市場は各地域による市場規模の偏りは少なく各地域で満遍なく利用が進むとされている。
アジアにおいてはEMSや自動車組み立て工場などでの需要が見込まれている。
一方日本市場では,高度な管理を必要とする医薬品などのサプライチェーン管理市場,あるいはがん診断のように高度な判断の蓄積が有効なラマン分光法の医療向け市場がもっとも有望と思われる。
株式会社グローバルインフォメーション
マーケティング部 部長
(月刊OPTRONICS 2016年10月号掲載)
このレポートは,㈱グローバルインフォメーションが扱う各国の市場調査会社の報告書をもとに執筆したものです。豊富な資料を揃えていますので,より詳細なデータや関連データだけでなく,その他にもお探しのデータがある場合,同社までお問い合わせください。
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