収差Ⅶ

9.  単色収差

9.5 ザイデルの収差

 単色収差は複雑であるが,ザイデル(Seidel)は,これを系統的に分類した。波面収差を級数に展開した時(式(4.30)),定数項である,係数がa0の項を除き,次数が低く,もっとも影響の大きい,係数がb1,b2,c1 ~c5 である項に着目する。これらの項を見る時に注意することは,rとYである。rは射出瞳,すなわち開口の半径を表しているので,この項の次数が大きいということは,開口が大きい時に顕著になることがわかる。また,Yは,斜入射の角度を表しているので,この項の次数が大きいということは,斜入射の影響が大きいということになる。
 この節では,これら7つの項の特徴について解説することにする。

9.5.1 縦方向焦点位置のずれ

 式(4.30)において,係数b1の項だけが存在する場合を考える。この時,式(4.30)は,次のようになる。

(4.34)

波面収差は,直感的にわかりにくいので,式(4.31)を用いて,光線収差を求める。

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