年の初めの話題は,正月らしく“鶴”と“亀”のテーマで行きましょう。先ずは,折紙の”折鶴”からです。折紙の起源は日本だけでなく中国やスペインなどとする説がありますが,謎に包まれてもいます。
日本の折紙は,折鶴に代表される「遊戯折紙」と,熨斗袋などのような「儀礼折紙」とに分けられます。その遊戯折紙に関する記述は平安時代に書かれた「清輔朝臣集」の中で蛙の折紙に関わる内容があるようですが,後の江戸時代になって様々な展開が見られます。海外でも“Origami”で通じるように日本のその技術は正に折り紙つきなのです。
折紙は,単なる一枚の紙が立体的な美しい形に変身するのですから驚きです。子供の頃は兜や奴を折り,鶴が折れると一人前に…なんて感覚がありました。山折,谷折を組合せ,最後に胴体を膨らませると出来上がり…。折紙の基本形を駆使した簡素で美しいモニュメントです。(図1)
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