鴫原正義
普段は何気なく使い,そして捨てている段ボールの折り方や箱の形などをよく見ると,様々なアイデアが織り込まれていることが分ります。それらの発想に感心することがありますが,今回はそのような段ボールの世界を覗いてみましょう。
段ボールが現れるのは19世紀後半になってからですが,それまでに形状が似ている幾つかの発明がありました。例えば,1856年にシルクハットの内側に汗を吸い取る為のギザギザ波の紙を用いた英国特許があり,それが段ボールの発想の始まりだとする説があります。又,1871年には割れ易い瓶などの緩衝材として波型にした紙を用いる米国特許がありました。その後,1874年に米国のオリバー・ロング(生没不詳)がその波型の片面に板紙を貼った構造の特許を取得し,1882年には米国のロバート・H・トンプソン(1841~1910)が両面に板紙を貼り付けた構造で特許を取得しています。現在の片面段ボールと両面段ボールの原形となるものです。
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