レーザー生成イオン育種と品種改良の可能性

元・光産業創成大学院大学 牧野孝宏

1. はじめに

放射線による突然変異は大部分遺伝子の不活性化されることにより生ずるものとされ,突然変異遺伝子は,正常な遺伝子に対して劣性に,安定的に遺伝する。こうした特性を利用して多くの品種が開発されている。穀類・豆類では,水稲のレイメイ,大豆のライデン,ライコウなどの品種が育成された。

ナシでは,重要病害のひとつである黒斑病抵抗性を示す「ゴールド二十世紀」や「オサゴールド」をはじめ,最近では7月中旬には収穫可能な品種「喜水」を改良した「静喜水」を生み出している。

作物育種の場合,品種の特性が優れ,生産性が確保されていれば,大きな経済効果が期待できる。たとえば,中部ヨーロッパのビール麦の大部分の品種や生産にしめる割合はチェコスロバキアで育成された品種「Diamant」に由来していることが知られている。

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