5. おわりに
本稿では,回転する偏光回折格子を多段に組み合わせた偏光BSシステムについて紹介した。我々が提案する方式では,円偏光を高効率且つラスターパターンに沿ってステアリングできることから,偏光を利用したLiDARやディスプレイ等への応用が期待できる。現時点では原理実証に留まっているが,今後本技術の実用化に興味を持って頂ける企業と連携し,社会実装に向けた展開を目指して行きたいと考えている。
謝辞
本研究の遂行において,共同研究者である川月喜弘教授(兵庫県立大学),佐々木友之准教授(長岡技術科学大学),野田浩平氏(長岡技術科学大学)に多大なご協力を頂いた。また,光架橋性高分子液晶をご提供頂いた林テレンプ㈱の服部幸年氏,酒井丈也氏に感謝申し上げる。
2) X. Zeng et al., Appl. Opt. 57, 6817 (2018).
3) D. A. Miller et al., Appl. Opt. 51, 4092 (2012).
4) F. Liu et al., Appl. Opt. 55, 9242 (2016).
5) M. Sakamoto et al., Appl. Opt. 60, 2062 (2021).
6) Z. Bomzon et al., Opt. Lett. 27, 1141 (2002).
7) H. Ono et al., J. Appl. Phys. 94 1298 (2003).
8) R. Momosaki et al., Opt. Lett. 44, 5929 (2019).
9) R. Momosaki et al., J. Opt. Soc. Am. B (in press).
10)C. Oh et al., Proc. SPIE 7466, 74660J (2009).
11)N. Kawatsuki et al., Macromolecules 35, 706 (2002).
12)M. Sakamoto et al., Opt. Rev. 22, 174 (2015).
■①Department of Electrical Engineering, Nagaoka University of Technology, Associate Professor
②Department of Electrical Engineering, Nagaoka University of Technology, Professor
(月刊OPTRONICS 2021年12月号)
このコーナーの研究は技術移転を目指すものが中心で,実用化に向けた共同研究パートナーを求めています。掲載した研究に興味があり,執筆者とコンタクトを希望される方は編集部までご連絡ください。 また,このコーナーへの掲載を希望する研究をお持ちの若手研究者注)も随時募集しております。こちらもご連絡をお待ちしております。 月刊OPTRONICS編集部メールアドレス:editor@optronics.co.jp 注)若手研究者とは概ね40歳くらいまでを想定していますが,まずはお問い合わせください。
同じカテゴリの連載記事
-
光周波数コムを用いた物体の運動に関する超精密計測と校正法 2024年11月10日
-
こすると発光色が変わる有機結晶の合理的創製 2024年10月10日
-
光ウェアラブルセンサによる局所筋血流と酸素消費の非侵襲同時計測 2024年09月10日
-
関心領域のみをすばやく分子分析するラマン分光技術 2024年08月12日
-
熱画像解析による土壌有機物量計測技術の開発 2024年07月10日
-
組織深部を可視化する腹腔鏡用近赤外分光イメージングデバイスの開発 2024年06月10日
-
8の字型構造の活用による高効率円偏光発光を示す第3世代有機EL材料の開発 2024年05月07日
-
高出力半導体テラヘルツ信号源とその応用 2024年04月09日
展示会情報
InterOpto 2024 -光とレーザーの科学技術フェア-
OPIE ’25
OPK2025
転職情報
オプトキャリア