自己光混合法を用いたナノ物性測定装置

1. はじめに

近年,ナノテクノロジーを用いて創製される新材料や高機能材料は工業製品だけでなく,情報通信,医療機器等に適用されつつあり,ナノテクノロジーの需要が一層高まっている。ナノテクノロジーの研究開発には,その基盤となるナノレベルでの計測・評価技術が必須である。これらナノ計測への光学的アプローチには,高光感度の検出器,精密な光学系,高精度のデータ解析アルゴリズムが必要不可欠である。現在でも,ナノ計測法は高価な計測システムであり,定量的な計測・評価技術の開発が継続されている。我々はオリジナルの散乱光検出技術である自己光混合効果を用いて,様々なナノオーダーの物性計測を達成してきた。本寄稿では,自己光混合計測法の計測原理と,機械・工学系で利用できるナノ物性計測の応用例を紹介する。

この続きをお読みになりたい方は
読者の方はログインしてください。読者でない方はこちらのフォームから登録を行ってください。

ログインフォーム
 ログイン状態を保持する  

    新規読者登録フォーム

    同じカテゴリの連載記事

    • 超広帯域量子赤外分光 京都大学 田嶌俊之 2025年03月10日
    • 近距離光通信向け高効率ポリマー光変調器 九州大学 佐藤 洸 2025年02月10日
    • 近赤外光硬化性樹脂を用いた自己形成光導波路によるシリコンフォトニクス自動接続 宇都宮大学 寺澤英孝 2025年01月10日
    • 竹のチカラで紫外線による健康被害を防ぐ 鹿児島大学 加治屋勝子 2024年12月10日
    • 光周波数コムを用いた物体の運動に関する超精密計測と校正法 東北大学 松隈 啓 2024年11月10日
    • こすると発光色が変わる有機結晶の合理的創製 横浜国立大学 伊藤 傑 2024年10月10日
    • 光ウェアラブルセンサによる局所筋血流と酸素消費の非侵襲同時計測 明治大学 小野弓絵 2024年09月10日
    • 関心領域のみをすばやく分子分析するラマン分光技術 大阪大学 熊本康昭 2024年08月12日