(黎明期の垂直統合)
産業の黎明期から離陸期にかけては,垂直統合的な体制をとる企業が多くみられます。つまり,自社製品に必要な多くの資源を社内化する企業です。自動車産業をリードした企業の中には,製鐵プロセスまで社内化していた企業もありました。
材料や部品の性能が最終製品の性能に強く影響することはよくあります。このような場合,部材の社内化は製品性能の向上をやり易くします。また,製品の価格低下を行う場合にも,事業資源を社内化していると,自社の思惑で主体的に行うことができます。
(垂直統合から水平分業へ)
産業が成長期に入ると,垂直統合的な体制から水平分業化が進みます。半導体デバイス産業の場合,事業化の初期には自社内で製造していた材料を,専門企業から調達するようになりました。社内調達にはない企業間の緊張関係も生まれます。
水平分業が進みますと,研究開発,事業開発を行うにしても,集中し高速に行うことができます。活動の範囲が絞れられることは,良いことばかりではありませんが,とにかく,効果的,効率的な開発活動とはなります。
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