(既存顧客分析では潜在顧客は分からない)
新入社員の頃,先輩諸氏から読んでおくべき色々な参考図書が紹介されました。紹介された中には何冊かのドラッガーの著作がありました。工科系で物性物理専攻であったためもあり,学生時代には読んだことはありませんでした。
著者が優れているのはもちろんですが,翻訳者も優れた方だったのだと思います。初めて接する著作はどれも読み易く,興味を持ち続けながら読めました。なんとなく常識としている事柄について裏切るような主張が多くあり,強い印象を受けたことを覚えています。
ある著作では,某有名デパートが自社顧客についてアンケート調査を行い,来店客の購買行動を分析した事例が紹介された後,そのような調査では,潜在顧客についての情報が得られないので,効果は限定的であると評価されていました。
顧客分析は重要な活動です。それを支持するのではなく,その不十分さを指摘するところに,ドラッガーの視点の広さと独特の姿勢を感じることができました。
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