香川大ら,大規模な空間多重光ネットワークを実証

香川大学,KDDI総合研究所,日本電気,santec AOC,古河電気工業は,大規模な空間多重光ネットワークの実現に必要な基盤技術を確立し,空間クロスコネクト装置とマルチコアファイバ光増幅器からなる1,000km級の大規模な空間多重光ネットワークの実証実験に成功した(ニュースリリース)。

次世代通信に向け,非結合マルチコアファイバ(MCF),MCF光増幅器およびMCF光スイッチからなる,空間多重光ネットワークが有望視されている。

今回,研究グループは,大規模な空間多重光ネットワークの実現に必要な基盤技術の確立と,それらを用いた次世代の光ノード装置,空間クロスコネクト装置の構築に成功。さらに,開発技術を統合することで,1,000km級の大規模な空間多重光ネットワークの実証実験に世界で初めて成功した。

実施した空間多重光ネットワークの実証実験は次の2つ。

①長距離空間多重光ネットワークテストベッド
コア選択スイッチを用いた空間クロスコネクト装置とFIFOレス4コアファイバ増幅器,4コアファイバ伝送路からなる周回系長距離光ネットワーク実証実験系を構築し,1,600kmにわたる大規模な空間多重光ネットワークが実現可能と初めて実証。

②マルチドメイン空間多重光ネットワークテストベッド
4コアファイバネットワークと16コアファイバネットワークを相互接続し,大規模なマルチドメイン空間多重光ネットワークにおいても,空間チャネルの設立と切り替えが高品質に実施可能と初めて実証。

開発した基盤技術の内容は次の4つ。

①光ノード・光ネットワーク技術(香川大学)
装置サイズの拡張性と接続自由度に優れた,コア選択スイッチに基づく空間クロスコネクト装置構成法とSXC内の各種MCF光デバイスの極性管理法

②光増幅技術(KDDI総合研究所,NEC,古河電工)
空間多重・分離器を介することなく励起光をエルビウム添加4コアファイバに注入することで,低雑音な光増幅を可能としたFIFOレス4コアファイバ増幅器(KDDI総合研究所)
増幅する光信号の伝搬方向をコア毎に設定可能な,全方向7コアファイバ増幅器(NEC)
19本のコアを一括で励起可能な,クラッド励起19コアファイバ増幅器(古河電工)

③光スイッチ技術(santec)
19-CFコア選択スイッチや19-CFコアセレクタなどのMCF光デバイス

④光配線技術(古河電工)
高次モードとコア間クロストーク,曲げ損失を最小化した19-CFコード/コネクタ,ならびに19-CF空間多重器などMCF光デバイス

空間多重光ネットワークは,低損失なコア選択スイッチを用いてMCF内のコア単位の粗い粒度でスイッチングすることで,①1ビット当たりの転送コストの削減,②伝送可能距離の延伸,③光ノード装置内の光ファイバ配線数の削減,が可能になると期待されるという。

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