Orbrayは,世界最大となる20mm×20mmサイズの双晶のない(111)単結晶ダイヤモンド自立基板の生産技術を開発した(ニュースリリース)。
ダイヤモンド半導体は,その優れた特性から様々な応用に向けたデバイス開発が進められており,近年では,それに対応するダイヤモンド基板の大型化や高品質化に向けた開発が活発化している。
特に,NV中心を利用したダイヤモンド量子デバイスの開発において,高品質な(111)ダイヤモンド基板が注目を集めている。さらに,量子デバイスだけでなく,パワーデバイスなどを含むn型を用いた高性能デバイスの実現に(111)ダイヤモンド基板が必要不可欠とされている。
しかし,これまで入手可能な(111)ダイヤモンド結晶は3mm角程度であり,また双晶と呼ばれる結晶欠陥が発生しやすく,大口径の単結晶ダイヤモンド基板の実現は困難だった。
同社は,独自のステップフロー成長法を用いて直径2インチの高品質(100)ダイヤモンド自立基板「KENZAN Diamond」を開発したことを発表している。このダイヤモンド結晶成長技術と自社製の特殊サファイア基板を活用し,(111)単結晶ダイヤモンド自立基板の開発を進めてきた。
そして今回,双晶のない結晶成長に成功し,20mm角サイズの(111)単結晶ダイヤモンド自立基板の生産技術を開発した。同社では2026年内に(111)ダイヤモンド自立基板を製品化するとしている。