富士通は,800Gb/sの大容量光伝送に対応したプラガブルモジュール「1FINITY P300」を,3月3日より販売すると発表した(ニュースリリース)。
AI活用が進みデータ通信容量が増大する中,災害などのリスクを最小化するためにデータセンターの分散化が進むことが予想され,その際,データセンター間ネットワークを消費電力を抑えながら大容量化することが重要になる。
プラガブルモジュールは,光電融合技術により,データセンター間をつなぐルータやスイッチに直接装着するだけで光伝送が可能になる装置であり,これまで必要であった波長変換をするトランスポンダー装置が不要で,コストや消費電力,設置スペースを削減できるため,現在世界中で採用が広がっているという。
この製品は,800Gb/sの大容量光伝送を可能にするOSFPブラガブルモジュール。最先端の3nm製造プロセスのデジタルシグナルプロセッサ半導体を活用した光電融合デバイスを搭載し,低消費電力化を実現しており,ビット当たりの消費電力で,既存製品に比べて30%削減している。
ECC(Error Checking and Correcting)を搭載し,メモリエラーなどを自動で訂正する。さらに,プラガブルモジュールのファームウェアを2つ搭載し冗長化することで,ファームウェアの故障などで異常が発生した際は,バックアップ側のファームウェアに切り替えて継続運用が可能。
ネットワーク技術の世界的な標準化団体の規格であるOIF ZRとOpen ROADM MSAの両規格に準拠。規格に準拠した装置に対してマルチベンダーでの互換性を有しており,顧客の環境に合わせて柔軟に接続可能だという。
同社の運用管理ソフトウェア「Fujitsu Network Virtuora NC」は,マルチベンダーを含むネットワーク全体の運用管理が可能。今回の製品の運用管理も可能で,光ネットワークの制御や自動化を実現するとしている。