三菱ケミカルグループは,フォトレジスト用感光性ポリマー「リソマックス」の生産能力を増強するため,三菱ケミカル九州事業所・福岡地区において,「ArF(フッ化アルゴン)フォトレジスト用リソマックス」および「EUV(極端紫外線)フォトレジスト用リソマックス」の各量産設備を新設することを決定した(ニュースリリース)。
フォトレジスト用感光性ポリマーは,半導体の回路パターンをウエハーに転写するフォトリソグラフィー工程で使用されるフォトレジストの主成分となる樹脂。同社グループの感光性ポリマーは,金属含有量や不純物が少ないため,半導体の回路の微細化にともなう高度な品質要求に対応できることから,多くのフォトレジストメーカーに採用されているという。
中でも,一層の微細化に不可欠なフォトレジストは日本企業が圧倒的なシェアを持つとして,今後も市場成長が見込んでおり,原料であるリソマックスの需要も着実に拡大するとみている。
同社グループは現在,関東事業所・鶴見地区(神奈川県横浜市)でリソマックスを生産しているが,拡大する需要に対応するとともにサプライチェーンの強靭化を図るため,九州事業所・福岡地区に量産設備を新設することになったという。これにより,「ArFリソマックス」は生産能力が2倍以上になるとともに,「EUVリソマックス」の初めての量産を開始するとしている。
「ArFフォトレジスト用リソマックス」は2025年10月,「EUVフォトレジスト用リソマックス」は2025年9月より稼働予定だという。