富士フイルムは,LED光源搭載内視鏡システム「ELUXEO」シリーズの新ラインアップとして,「ELUXEO 8000システム」を,富士フイルムメディカルを通じて5月28日より発売すると発表した(ニュースリリース)。
軟性内視鏡は,がんの早期発見や低侵襲治療が可能で,観察・診断・治療などに広く用いられている。診断精度向上やスムーズな検査のため,より高画質な画像や,目的に応じて観察しやすい画像を提供することが求められている。
今回発売するシステムは,さらなる高画質化を目指して画像処理エンジンを一新し,ノイズ低減技術「TNR」と調光・階調制御技術「E-DRIP」の二つの新技術を搭載した。
「TNR」は,内視鏡システム・X線画像診断システム・超音波画像診断装置のノイズ低減技術を結集させ,大幅なノイズ低減を実現した機能。また「E-DRIP」は,ダイナミックレンジを拡張し,適切な調光制御をする技術で,奥まで明るく鮮明でハレーションを抑えた画像を提供するとしている。
また,画像の赤色領域のわずかな色の違いを強調して表示する機能「LCI」の色彩強調技術に明るさ強調の技術を加えた新たな画像強調機能「ACI」を搭載した。これは,血液の色の濃淡や微妙な色の違いを強調表示することで,出血時に医師の出血点の特定をサポートするという。
また,血管の視認性を向上させることで,内視鏡処置時に出血を防ぐために血管を焼灼する予防的止血の際にも医師を支援できると期待される。また「ACI」は,白色光に近い色合いの画像を描出しながら血液の色の違いを強調するため,出血時だけでなく,処置中に常時使用することが期待できるとしている。
さらに,内視鏡用炭酸ガス送気装置「GW-100」や内視鏡用送水装置「JW-3」などの周辺機器との連携により効率的な検査が行なえるという。「GW-100」との連携では,「GW-100」から送気が開始されると,プロセッサー「EP-8000」からの送気を自動的に停止し,各装置のON/OFF操作の手間を削減する。
また,「JW-3」との連携では,従来のフットスイッチでの送水操作に加えて,任意のスコープスイッチに送水操作を設定することで,スコープからも送水操作ができるという。
さらに,白色光画像と画像強調機能の画像を同時に取得し,観察モニター上に表示するマルチオブザベーションモードを搭載した。これにより,画像強調機能のON/OFFを切り替える手間を削減し,スムーズな観察をサポートするとしている。