カルコジェニックは,次世代二次電池材料である硫化スズ粉末を開発した(ニュースリリース)。2024年6月1日より,サンプルの提供を開始する。
一般的に,硫化スズの結晶構造はグラファイトのような層状構造であることから,2次元材料として,さまざまな電子デバイスへの応用が期待されている。
とりわけ,リチウムイオン電池の負極材に硫化スズを使用した場合,硫化スズ負極は黒鉛負極に対して約2倍の理論容量を有しており,かつ,高速充放電性能に優れていることも報告されている。また,硫化スズを構成する元素は硫黄と錫であることから自然界に豊富に存在し,量産時のコストダウンが期待される。
この硫化スズ粉末の使用用途はリチウムイオン電池に加え,全固体電池等の次世代二次電池,リチウムイオンキャパシタ,各種センサー,固体潤滑剤等への活用が想定される。この硫化スズ粉末は同社が開発した分散性に優れた硫化スズ分散液に対して導電助剤であるアセチレンブラックを添加し,均一混合させた粉末になる。
95wt%硫化スズに対して5wt%アセチレンブラックを添加した硫化スズ粉末を例にあげると,この硫化スズ粉末の粒子径は流体力学的直径394.0nmとナノスケールの粒子になる。また,この硫化スズ粉末は粒子径・添加剤の種類・添加量等の変更も検討が可能だという。