NHK放送技術研究所(技研)は,柔軟なゴム基板上に液体金属を使った伸縮配線とマイクロLEDを形成したフルカラー伸縮ディスプレーを開発した(ニュースリリース)。
従来の金属配線は,基板が変形すると電気抵抗の上昇や断線が発生するため,伸縮ディスプレーに適用することができなかった。
同研究所は,今回,金属配線の材料に液体金属を用いることで,伸縮させても断線することなく,低い電気抵抗を維持できる伸縮配線を開発した。また,液体金属の粘度を調整することで,印刷技術による細い配線パターンの形成に成功した。
信越化学工業とSALと共同で,ゴム基板上に赤,緑,青色に発光する微細なマイクロLEDを格子状に形成し,これら画素間を液体金属による伸縮配線で接続することで32×32画素のパッシブ駆動のフルカラーディスプレーを開発した。開発したディスプレーは自由に変形でき,1.5倍に伸張させても安定して表示できるという。
■開発したパッシブ駆動のフルカラー伸縮ディスプレーの諸元
項目 | 値・仕様 |
発光素子 | マイクロLED |
画素数 | 32×32(カラー) |
画素ピッチ | 2mm |
画面サイズ | 64mm×64mm |
ディスプレー駆動方式 | パッシブ駆動 |