阪大、X線天文衛星XRISMのX線CCDを開発

大阪大学の研究グループは,開発したX線CCD“Xtend”が搭載されたX線天文衛星XRISMのファーストライトを1月5日にJAXAから公開した(プレスリリース)。

2016年2月に打ち上げられたX線天文衛星ひとみは,大きな成果をあげたが約1ヶ月しか稼働せず,ひとみ衛星を簡略化したX線天文衛星XRISM計画が2018年にスタートした。両者に搭載されたX線CCDの開発は,研究グループが寄与してきた。

XRISM衛星のX線CCDは,ほぼ満月1個分に匹敵する広い視野で宇宙のX線画像を取得できる。これは,ひとみ衛星のX線CCDに改良を加えたもの。一般にX線CCDは,ノイズとなる可視光線を遮断し,X線だけに反応するが,ひとみ衛星のX線CCDは可視光線の遮断が十分ではなかった。

XRISM衛星のX線CCDには,可視光線を十分に遮断するように,アルミの遮光幕やCCD端面の構造に改良を加えた。また,宇宙に飛び交う高エネルギー粒子(宇宙線)によって,人工衛星に搭載されたX線CCDは徐々に性能が劣化していく。XRISM衛星のX線CCDは,放射線耐性が強くなるように,信号電荷の転送路に工夫がほどこされている。

XRISM衛星に実際のX線CCDを搭載するには,一つ一つ性能評価を行ない筐体に組み込む作業が必要であり,これらの作業をほぼすべて大阪大学で行なった。

ひとみ衛星X線CCDの開発責任者の研究をうけつぎ,XRISM衛星のX線CCD開発も研究グループがリードした。そしてXRISM衛星は2023年9月7日に打ち上げに成功し,ファーストライトの公開にたどり着いた。

この研究成果により,XRISM衛星X線CCDは想定通りの性能を発揮していることが確かめられた。今後XRISM衛星は,X線マイクロカロリメーター(Resolve)とX線CCD(Xtend)による本格的天体観測を行なう。

研究グループは,宇宙の大規模構造である銀河団がどのように成長するのか,我々の身体のもととなる各種の原子は宇宙にどのように増えてきたのか,ブラックホール近傍の強い重力の世界では何が起こっているのか,などの謎の解明に挑戦するとしている。

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