KDDI,シスコシステムズ,富士通は,IPレイヤーと光伝送レイヤーを融合した地域網内ネットワークであるメトロネットワークの本運用を開始した(ニュースリリース)。
現在普及が進む5Gサービスの全国展開に伴い,動画などデータ量が多いサービスの利用者が増加し,通信量が急速に増大している。5Gの普及と通信量の増大によりさらなる電力量の増加が想定され,CO2削減への取り組みが一層重要になっている。
KDDIは,2030年度までにKDDI単体の事業活動におけるCO2排出実質ゼロを目指しており,事業活動における消費電力の低減が求められている。さらに,通信量の増大に対応するためには,設備を迅速に拡張することが喫緊の課題となっている。
今回採用したIPレイヤーと光伝送レイヤーを融合した構成は,従来外付けで設置していたWDM用トランスポンダを実装するための筐体が不要になることで消費電力の削減と機器設置スペースの節約を実現している。なお,WDM用トランスポンダは小型化され光モジュールとなり,シスコ製ルーターに実装されている。この光モジュール自体も半導体製造プロセスの改良により低消費電力化されているという。
メトロネットワークの局間伝送路で採用した富士通のOLS「1FINITY」シリーズはオープンインターフェースに対応しており,他社製品を含むさまざまな機器との接続が可能。そのため,局間の伝送容量を拡張する際もルーター側のハードウェア増設や設定変更のみで容量の拡張ができる。これにより,将来の通信トラフィックの増大に応じて迅速な対応が可能となる。
KDDIは,2028年度末までにIPレイヤーと光伝送レイヤーを融合したメトロネットワークを全国展開していくとしている。