EDPは「人工ダイヤモンド製作用大型種結晶」並びに「半導体用大型基板」を2023年8月24日に発売すると発表した(ニュースリリース)。
同社は,大型のダイヤモンド単結晶を製作できることを主要な優位点とし,人工ダイヤモンド宝石(LGD)製作用種結晶や基板,光学部品などに適用してきた。
これまで販売してきた種結晶の最大形状は,12x12mmであり,通常のラウンドブリリアントカットならば5.5カラットの宝石が製作可能だった。また,研究用基板は10x10mmを最大形状として販売していた。
同社は,大型結晶の開発に注力しており,今回従来形状を上回るサイズの単結晶を開発し,これを適用した種結晶や基板を発売することとした。
発売するのは,人工ダイヤモンド宝石製作用の大型種結晶:13x13x0.3mm,14x14x0.3mm等,および大型研究用基板:11×11~14x14mm(厚さは任意)。
「人工ダイヤモンド製作用大型種結晶」は,これまで販売してきた種結晶を使った場合に比べ,より大型の宝石を製作することが可能だという。ラウンドブリリアントカットの宝石の場合,製作可能な宝石重量は,13x13mmで約7カラット,14x14mmで約8.7カラットとなる。
また,プリンセスカットやオーバルカット等の場合には,さらに重量の多い(大カラット数)の宝石を製作することが可能。大型の単結晶であるこれらの製品は,LGDの成長工程において,製作歩留が高く,安定した結晶品質を得ることができるという。
「半導体用大型基板」は,これまでの10x10mm基板ではできなかった大面積デバイスの開発が可能。14x14mm基板は,10x10mm基板の約2倍の面積を持ち,パワー系の大型デバイスの開発においては,有力な基板材料として利用できるという。また,結晶粒界が影響を及ぼす光学部品等においては,大面積が実現できたことによる新たな応用が期待できるとする。
同社は,デバイスの製作において,2インチウエハーの開発が待たれているが,引き続き単結晶の2インチウエハーを目指した開発を進めていくとしている。一方,ウエハーとして使うためには,表面粗さ等の改善も必要であり,研磨技術の研究・開発についても並行して行なっていくとしている。