工学院大学の研究グループは,歯のホワイトニング効果を自撮りで確認できるスマートフォンカメラアプリを作成した(ニュースリリース)。
歯磨き粉,ガム,ジェルなど様々な歯の漂白製品が普及しているが,歯の色は照明など外部環境による影響を受けやすく,微妙な変化を客観的に捉えるには,歯科医院にある高精度かつ高価な専用装置と,操作技術を持つ専門家に頼る必要があった。
研究グループは,歯の色の相対的な変化を評価するためのスマホカメラアプリを論文発表した。アプリには環境光センサーと顔ランドマーク検出AI技術(画像中の顔の主要なパーツ(目,鼻,口など)と輪郭を推定する人工知能技術)が搭載されており,自撮りモードで前回撮影時と同じ明るさ,同じ口の開き方の画像を得ることができる。
実験では,コーヒーやグレープジュースで歯に着色した後とジェルホワイトニング後にアプリで撮影を行なった。画像中の歯の色を測定したところ,着色と漂白により相対的な色の変化を数値化できた。
また,人の目では違いに気付きにくいとされる微妙な変化(色差1.3)も撮影画像から確認できることが示された。作成したアプリに既存の画像解析技術を組み込むことで,歯の色をスマホ一台で高精度に評価できる可能性を示す実験結果だとする。
研究グループは消費者がホワイトニング製品を科学的根拠,すなわち歯の比較用画像に基づいて選択できるよう,アプリの実用化に向けた改良をすすめていくとしている。