NTT厚木研究センタ,発足40周年記念式典を開催

NTT厚木研究開発センタはこの5月15日,同研究開発センタにおいて発足40周年記念式典を開催した。

同センタは1983年に厚木電気研究所として発足。NTTの研究開発拠点の一つに位置付けられており,先端集積デバイス研究所,コミュニケーション科学基礎研究所,物性科学基礎研究所の3つの先端技術総合研究所が設置されている。

この先端技術総合研究所には未来ねっと研究所(横須賀)も組織されている。NTTでは現在,オールフォトニクスネットワークの実現を目指すIOWN構想のもと,先進研究開発に取り組んでおり,記念式典では,IOWN実現に関わる技術開発の展示見学会も行なわれた。

当日の記念式典では冒頭,主催者挨拶があり,先端技術総合研究所・所長の岡田顕氏が厚木研究開発センタの歩みをまとめたビデオ紹介を交えて挨拶した。続く来賓挨拶では,厚木市長の山口貴裕氏が祝辞を述べた後,衆議院議員の甘利明氏が挨拶に立ち,同氏が日本の半導体戦略を指揮していることからNTTが開発する光半導体・光電融合デバイスへの可能性と期待を踏まえて激励した。

続いて研究開発の紹介があり,同研究開発センタに所属する6名の若手研究者による発表があった。まず,井上飛鳥氏が「光量子コンピュータの研究開発とその展望」を,2番目に田仲顕至氏が「ホワイトボックスサーバ技術の研究開発とその展望」を,3番目に里紗弓氏が「人工光合成の研究開発とその展望」を,4番目に高橋陸氏が「オンチップ型人工臓器の研究開発とその展望」を,5番目に錦見亮氏が「生体シミュレータの研究開発とその展望」を,6番目に徐照男氏が「超高速通信用デバイスの研究開発とその展望」をそれぞれ紹介した。

この後,NTT副社長の川添雄彦氏が挨拶に立ち,新中期経営戦略の基本的な考え方を紹介し,成長分野に対して今後5年間で約8兆円を投資すると発表した。さらにIOWN構想の実現に向けては,この6月にNTTイノベーティブデバイスを設立し,光電融合デバイスの事業化に向けて300億円を出資するとも発表した。加えて,6Gなどを含むIOWNに関わる研究開発・実用化の加速を図り,2023年度は約1,000億円の研究資金を投じる考えを示した。

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