ニコンは,米カリフォルニア州に,アディティブマニュファクチャリング(AM)事業の統括会社Nikon Advanced Manufacturing, Inc.(CEO: Hamid Zarringhalam、Co-CEO: 柴崎 祐一)を設立した(ニュースリリース)。
ニコンは2022年度よりスタートした中期経営計画において,デジタルマニュファクチャリング事業を戦略事業と位置付けている。その中でも急速な市場の拡大が見込まれるアディティブマニュファクチャリング(付加加工)事業の強化を目的として,2023年4月にアドバンストマニュファクチャリング事業部を発足した。
今回,米に設立した新会社はアドバンストマニュファクチャリング事業部の「事業部本社」となり,日米欧を含むアディティブマニュファクチャリング事業を統括する。ニコンが「事業部本社」を日本国外に置くのは,1917年の創業以来初めて。営業開始は2023年7月を予定している。
米国西海岸には精密な金属加工のニーズが大きく,成長性が高い宇宙航空産業や,電気自動車(EV)シフトや自動運転技術の進展で変革が進む自動車産業が集積している。新会社はきめ細やかな顧客対応と意思決定の迅速化で,米国を基盤に日米欧で事業拡大を図る。
これまでの戦略的投資で子会社化した金属3Dプリンターを手掛ける独SLM Solutions Group AG,宇宙航空部品の受託生産に強みを持つ米Morf3D Inc.がそれぞれの顧客基盤を活かしたビジネスを継続しつつ,ニコンを含めた技術・知見を組み合わせることで事業シナジーを追求し,ワンストップで最適なソリューションを提供するとしている。
新会社の概要は以下の通り。
所在地:米カリフォルニア州
資本金:2,500万USドル
人員数:約20名(2023年7月の営業開始時点)