【OPIE’23】リトアニアパビリオン

光総合技術展示会「OPIE’23」(4月19日~21日 パシフィコ横浜)では海外出展社の大幅な増加があり,特にパビリオンを形成して出展する国・地域が目立っている。今回出展した5つの海外パビリオンのうち,リトアニア(リトアニアパビリオン I-32)は,6社から構成されている。

リトアニアはレーザーに高い技術を持つ。そのスタートは60年前に当時のソビエトからもたらされたレーザーだが,ここから周辺機器を含めて産業として成長を遂げ,1987年には日本へレーザーの輸出を開始し,現在では輸出先シェア6.4%と,アメリカ,中国,ドイツに次ぐ4番目の貿易相手国となっているという。

同国のGDPにレーザー関連が占める割合は0.5%に過ぎないが,超短パルスレーザーの世界シェアは10%だという。また,トップ100大学のうち,95校にリトアニアの導入実績があるとしている。さらに,2009年~2021年までのレーザー産業の年平均成長率は16.2%と非常に勢いがある。

出展社のうちEKSMA OPTICSは,精密光学部品,光学システム,レーザーおよび非線形周波数変換結晶,オプトメカニクス,およびレーザーやドライバーを備えた電気光学ポッケルスセルのメーカー。会場ではポッケルスセルやビームエキスパンダー,各種レーザー反射膜などの展示が行なわれている。

QS LASERSはOEM向けの小型ピコ秒レーザーを出展。DPSSパッシブQスイッチピコ秒レーザー「MPL2210」シリーズは,100Hzの繰り返し率で7MWを超える高いピーク出力を実現。小さなフットプリントはOEMレーザーに適しており,<250-270psのパルス持続時間,2mJを超える高パルスエネルギー(@1064nm),1Hz~100Hzまでの可変繰り返しにより,汚染モニタリング,DNA分析,スーパーコンティニウム生成などに適しているという。また,緑(532nm)と紫外(355nm,266nm)へのオプションの変換も利用できる。

Litilitはバイオ向けフェムト秒ファイバーレーザーを展示している。多光子顕微鏡および非線形光学アプリケーション向けに開発したコンパクトな空冷レーザーで,主な仕様は,中心波長1045±5nm,平均パワー>2W,パルス幅<80fs(60fs typ.),パルス繰返し周波数15,20,30 or 40MHz,ビーム品質M2<1.2となっている。

DMC(Direct Machining Control)は,レーザー加工機およびプロセス制御のソフトウェアを提供している。これは,ユーザーがCADオブジェクトを作成またはインポートし,プロセスパラメータを設定して実行するだけのオールインワンソリューション。

その後はソフトウェアがレシピに従ってすべてのハードウェア制御を行なう。アプリケーションは,レーザーマーキングや彫刻から,3Dプリンティングや自由曲面の5軸テクスチャリングにまで及ぶという。

LIDARISはレーザー損傷試験を行なう企業で,2012年にヴィリニュス大学からスピンオフした。高出力レーザーに使用する光学素子を試験により,「いつ」破損するかを予測する。レーザー損傷には様々な要因があることから,選択した検査条件や損傷基準によって報告されるLIDT(レーザー誘引損傷閾値)の意味が異なってくることがあるため,同社では適切なLIDTテストを条件を選択するガイドラインを作成している。標準的な試験の場合,サンプル入手後2~3週間で納品が可能だとしている。

Optogamaは2015年に設立された,カスタムおよび独自のレーザー製品を設計,開発,商品化する企業。分析および分光計測器,自動車,センシング,医療,材料加工レーザーアプリケーションの技術を開発行なっている。会場では各種レーザーのほか,レーザー結晶,偏光子,ビームエキスパンダーなどを展示している。

今回OPIE会場では,リトアニアからパビリオンの他にも単独で5社が出展しており,日本市場への期待の高さを伺わせる。パビリオンを統括,50社の会員企業を擁するLithuanian laser associationのKristiana ANANICIENE氏によれば,今回のOPIE出展で各社は半導体や医療と言ったエンドユーザー向けの商談を期待するほか,単に売買だけではない,日本企業とのパートナーシップや協創といった,長い付き合いを得るチャンスにしたいと意気込んでいるという。

地政学的なリスクについては,もともとロシア向けの輸出はなく,今回の軍事侵攻でもサプライチェーンには大きな問題は生じていないとする。同国の人口は僅か300万人だが「最新の技術力があれば負けることはない」と自信を見せている。

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