佐賀大,可視光から近赤外までの光酸化作用を発見

佐賀大学の研究グループは,ペルオキソチタン錯体薄膜が紫外光,可視光全域,900nmまでの近赤外光の照射で有機物を酸化分解する環境浄化作用があることを初めて発見した(ニュースリリース)。

環境浄化用として実用化されている酸化チタン光触媒は紫外線がないと有機物を酸化分解できないため,可視光しかない一般的室内やプラスチック包装された容器内などで酸化作用を持つ安全な透明コーティング材料が求められていた。

ペルオキソチタン錯体(Ti2O5(OH)x(2-X))は,酸素を過剰に含む酸化チタン水和物で,透明な密着性セラミック薄膜塗布剤。このペルオキソチタン錯体のコーティング剤は,光触媒薄膜等を固定するバインダーや光触媒の原料として研究グループが約25年前に開発したもの。

今回,研究グループは,本来酸化作用がないと思われていたペルオキソチタン錯体薄膜が可視光全域のみならず900nmの近赤外光まで酸化分解機能があることを反応速度論的手法と実測で初めて明らかにした。

この成果により,待望されていながらこれまで困難であった可視光や近赤外光しかない場所での環境浄化への実用化が大いに期待されるとしている。

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