Space Compassは,米Skyloom Global Corporationと,アジア上空に1機目となる静止軌道(GEO:Geostationary Earth Orbit)衛星「SkyCompass-1」を2024年末までに打上げる共同事業契約を正式に締結したと発表した(ニュースリリース)。
地球観測衛星事業者は増え続ける宇宙画像などリモートセンシングデータ需要に直面しているものの,取得したデータを求められる時間内に届けられないがためにデータの価値を活かしきれずにいる。
現在はデータ伝送を電波(RF:Radio Frequency)通信に依存しているため,データ伝送容量や情報アシュアランスに制限がある。今回の両社のパートナーシップは,今までになく増加している低軌道(LEO:Low Earth Orbit)観測衛星コンステレーションに対し,費用効果のあるデータ伝送を提供するもの。
地球観測事業者は,光通信端末を搭載することで,分・時間単位ではなく秒単位でクラウドにデータを届けるend-to-endの光リレーサービスが可能となり,より観測ミッションに集中することができるようになるという。
SkyCompass-1の重要なコンポーネントである光通信端末(OCT:Optical Communication Terminal)の製造は,米コロラド州ブルームフィールドにおいて2023年第2四半期中に開始する予定。LEO衛星に搭載することにより,宇宙から地球への大容量,低遅延,高セキュリティのデータ伝送を実現する。
SpaceCompassとSkyloomは顧客のフィードバックに基づくサービス提供方法の詳細について最終化を行なっており,SkyCompass-1の打上げまでに予約完売となることを予期しているという。
なお,Space Compassは,日本電信電話(NTT)とスカパーJSATが設立した合弁会社。宇宙統合コンピューティング・ネットワークの構築により,持続可能な社会を実現することを目的としている。
一方Skyloomは,米コロラド州デンバーの通信イノベーター。新しい宇宙通信インフラ基盤を開発,構築,運用することで地球規模のデータ伝送サービスを提供することを目的としている。