精工技研は,産業技術総合研究所(産総研)発スタートアップ企業の7Gaa(セブンジー ツーエー)と,ローカル5G関連ビジネスで業務提携を行なうと発表した(ニュースリリース)。
7Gaaは,産総研の研究成果を実施する目的で2019年10月に設立された。①RF(Radio Frequency:高周波)関連,②無線端末用アンテナ測定関連,③高速光伝送システム関連を主な事業内容とし,自動車メーカーや電機関連メーカー,光通信関連メーカー等の顧客に対して,次世代通信技術の開発及び販売,コンサルティング等の業務を行なっている。
精工技研は2018年,7Gaaの前身となる産総研 物理計測標準研究部門 旧黒川研究室と三重大学工学部との3者で28GHz帯光電界センサを共同開発し,製品化した。今回は7Gaaとの間で新たに,5G対応の30GHz帯アナログ光ファイバリンクシステムの開発,製造,販売で業務提携を行なう。
このシステムは,アンテナで電波を受信し,EO変換デバイスで電気信号を光信号に変換した後,光ファイバを用いて伝送し,OE変換デバイスで光信号を電気信号に変換するもの。EO 変換デバイスとOE変換デバイスを一体化することにより,双方向への光伝送を可能とする。
ローカル5Gは,通信キャリアに依存することなく,企業や自治体が独自に構築する5Gネットワーク。通信キャリアに依存しないことから,外部環境に左右されることなく,超高速・大容量,超低遅延,多数同時接続を特長とする通信環境を安定的に確保でき,セキュリティ的にも強いことから,国内外を問わず,多くの企業や自治体が導入を開始している。
両社が共同で開発,販売する30GHz帯アナログ光ファイバリンクシステムは,超小型軽量,低消費電力,低損失といった特長を有し,そうしたローカル5Gの導入を容易にするツール
として期待されるという。
なお,精工技研は,この件が2023年3月期の同社連結業績に与える影響については軽微であり,通期の連結業績予想に変更はないとしている。