スタンレー電気は,2022年9月27日開催の取締役会において,本田技研工業(ホンダ)と資本業務提携に関する合意書の締結と,本田技研工業に対する第三者割当による自己株式の処分を行なうことを決議し,同日付けで本田技研工業と資本業務提携契約を締結したと発表した(ニュースリリース)。
スタンレー電気は,自動車業界が100年に一度と言われる大変革期を迎える中,完成車メーカーと部品メーカーが相互に協力して解決すべき課題の解決に向けた強固な関係構築を図るため,今回の包括的な資本業務提携契約を締結することを決定した。
同社は自動車機器製品,コンポーネンツ製品,電子応用製品の製造・販売を主な事業内容として製品をグローバルに供給している。ホンダは,同社の売上,及び利益の大部分を占める自動車機器事業において,自動車用ランプ,二輪車用ランプに加え車載用エアコンパネル等の取引もある重要顧客であり,これまでも一部で製品開発・搭載に係わる共同取り組みや人的交流等を行なってきた。
自動車業界における新たな課題の解決に向け,お互いが長期的な戦略パートナーとして従来以上に強固な関係の構築を目指すことで,両社の企業価値向上と持続的成長の実現に繋がると考え,本自己株式処分による資本提携が必要と判断し,今回の資本提携となったという。
同社はホンダを処分先とする第三者割当による自己株式の処分により,普通株式7,500,000株(自己株式の処分後の同社の発行済株式総数に対する割合4.34%)を割り当て,ホンダは,この自己株式処分による株式を全て引き受ける。
この資本業務提携によって,両社は中長期の将来にむけたパートナーとして,共同開発,人材交流等の取り組みを進め,技術力をはじめとする競争優位性の向上を図る。具体的には以下のような取り組みを協力して進めていくとしている。
①CASE等に対応し,交通死亡事故ゼロに貢献する次世代ランプシステムの開発,及び車両搭載
②グローバルでの価格競争力を推し進めるための製品開発の効率化や部品の共有化
③カーボンニュートラルの実現に向けたサプライチェーン全体の脱炭素化
④これらを円滑かつ効率的に実行していくための人材交流や知見の共有
同社は「ランプシステムメーカーへの変革」と「電子事業の拡大」を中長期的な戦略課題に位置付けている。中でも売上比率の大半を占める自動車機器事業での「ランプシステムメーカーへの変革」を,カーメーカーをはじめとした戦略的パートナーとの連携・協業によって推進している。
その一環として行なう今回の資本業務提携は,技術力や提案力,価格競争力等,同社における競争優位性を向上させるものであり,調達する資金(18,990,000,000円)は,同社の生産活動に必要な原材料及び資材購入等の運転資金に充当する予定だという。