NEC,オープン仕様の光トランスポート装置を発売

NECは,光伝送装置のオープン仕様(Open ROADM,TIP Pheonixプロジェクト)に準拠したオープン光トランスポート装置「SpectralWave WXシリーズ」の4製品を2022年10月1日より出荷開始すると発表した(ニュースリリース)。

今回,発表されたのは,中継伝送路に接続し,伝送距離に応じて光の増幅を行なう「WX-Dシリーズ(多方路・可変利得アンプ)」,送信時は複数の光の波長を集め,受信時は一つの光の波長を分ける「WX-Sシリーズ(合分波・Add/Drop)」,外部接続装置から受信した電気信号を光信号に変換する,または外部装置へ電気信号を送信する場合は光信号から電気信号へ変換する「WX-Tシリーズ(Whitebox Transponder/Packet Switch Transponder)」,「WX-Tシリーズ」と同様に,電気信号と光信号の変換や光スイッチを行なう「WX-Aシリーズ(遠隔制御・光スイッチ)」の4製品。

従来,光伝送装置は通信性能を優先した垂直統合型が主流で,同一ベンダーの機器を使ってネットワークを構築することが一般的だったが,これらの製品は従来の垂直統合型とは異なり,ネットワークを構成する機器を機能毎に分割するディスアグリゲーション(機能分離)を実現。これにより,必要な機器を複数のベンダーから調達し,組み合わせて利用することができるため,顧客のニーズに合わせて機器構成を変更可能だという。

また,これらの製品はオープン仕様に準拠することで,従来から光伝送ネットワークに用いられているROADM構成と,IOWN Global Forumで検討が進められているOpen APN(Open All-Photonics Network)で定義されたAPN-T,APN-G,APN-Iの各機能ブロックをつなぐ最新の構成を,製品の配置変更により対応。

例えば光信号の折り返しをする際,一般的にはAPN-T,APN-G,APN-Iの各機能ブロックの製品をすべてつなぐ必要があるが,これらの製品はユーザーのニーズに応じて,APN-T(WX-T)とAPN-G(WX-S)の2製品をつなぐ構成で光の方向を変更し折り返しが可能となり,柔軟かつ経済的なネットワークの構築が可能になる。

同社はネットワークから端末に至るすべての通信を光ベースの技術で構築するオールオプティカルネットワークをデジタルツインの実現や,新サービスや産業の創出,グリーン化をはじめとする社会課題の解決を支える次世代インフラとして捉え,これらの製品の提供を通じて,大容量,低遅延,多接続に加え,高度なセキュリティ,ロバスト性,省電力性を備えたオールオプティカルネットワークの実現に貢献するとしている。

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