京大,クエーサーの明るさの変動に特性を発見

京都大学の研究グループは,クエーサーの明るさの時間変動が,天体が発する特定の輝線の強さと関係していることを明らかにした(ニュースリリース)。

銀河中心の超巨大ブラックホールは,周囲のガスを取り込むことで重力エネルギーを光へと変換し,非常に明るく輝いている。そのような天体はクエーサーと呼ばれ,非常に遠方からも見えることから宇宙の歴史を知るために調べられてきた。クエーサーは超巨大ブラックホールが今まさに成長している姿であり,その性質を調べることは超巨大ブラックホールの形成過程を知る上で肝要だと考えられている。

近年,クエーサーの可視光での明るさが数年で大きく変化(1~2等級)する現象が数多く発見されている。このことは,中心ブラックホールの質量獲得の激しさ(明るい時には中心のブラックホールがより多くの質量を獲得し,暗い時には質量の獲得が穏やか)が短期間でダイナミックに変化することを表しており,超巨大ブラックホールの成長の歴史を知る上で重要な現象だという。

研究グループは,大規模な明るさの変動の解明には,クエーサーの明るさの変動と,他の特徴との結びつきを調べることが必要だとし,明るさの変動が大きい約1万天体のスペクトルを用いた大規模な解析を実施した。

可視光スペクトルから,鉄(FeII),酸素([OIII]5007),水素(Hβ)の輝線強度として等価幅を測定し,天体ごとに輝線強度と後の明るさの変化量を示し,ある時期のスペクトルから計算された輝線強度が,その後の明るさの変化と密接に関係していることを発見した。

次に,別の時期に取られた同一天体のスペクトル同士を比較し,各天体の明るさの変動に伴う輝線強度の変動量を調べた。その結果,天体の明るさの変動というのは,平均的な状態を境にして暗い状態と明るい状態を振動するように遷移しているということが示唆された。

今回の成果は,クエーサーの酸素輝線の等価幅と鉄輝線に対する強度比がその後の明るさの変動と密接に結びついているという事実を発見したこと。さらに,クエーサーの大規模な変動が,その天体にとっての平均的な状態を中心に振動しているということが示されたことだとする。

このことから,近年数多く報告されている明るさの変動現象は一時的なものではなく,繰り返し起きてきた現象であり今後も繰り返されることが示唆されるという。

研究グループはこの成果が,超巨大ブラックホールの成長過程を知る上で重要な考察を与えることが期待されるとしている。

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