横河計測は,高性能光ファイバ試験器「AQ7280 OTDR」シリーズのラインアップを拡充,8月5日から販売を開始することを発表した(ニュースリリース)。
価格は,1,310/1,550nmを測定できる「AQ7286A」が100万円~,1,310/1,550/1,625nmを測定できる「AQ7286H」が125万円~,1,310/1,383/1,550/1,625nmを測定できる「AQ7286J」が205万円~,「光スイッチボックス」が55万円(すべて税抜き)。
同社のOTDR(Optical Time Domain Reflectometer)は,これまで光ファイバ通信網の敷設工事や保守作業に用いられてきた。今回,光ファイバ通信網整備の上流にあたる,素線・ケーブル開発の次世代通信向け新規格の評価試験に適した3種類のOTDRユニットと,多心ケーブル評価試験の効率化に貢献する光スイッチボックスを開発した。
開発したOTDRユニットは3種類とも国際電気標準会議であるIEC International Electrotechnical Commissionの,光ファイバの減衰の測定方法に関する国際標準規格「IEC60793-1-40」に準拠した波長公差15nm(標準),±10nm(オプション)を備え,厳しい検査要項が設定される光ファイバ素線の研究・開発でも利用できるとする。
また,これまで多心ケーブルの製造検査や通信評価試験は,OTDRに接続できる光ファイバの本数は1本のみという制限から,収納された光ファイバを1本ずつ付け替えながら行なっていたが,「AQ3550」は出力ポートに同時に12本までの光ファイバが接続できるMPOコネクタを採用しており,OTDRと連動して12本の光ファイバを連続測定できるという。
あらかじめ光ファイバの接続を済ませておくことで,「AQ7280」本体のタッチパネル上で測定したい光ファイバを自由に切り替えることが可能。これにより,数千本の光ファイバを評価する作業時間の短縮と,接続作業機会を減らすことによる作業員の負荷低減に貢献するとしている。
この製品の主な対象ユーザは以下の通り。
・光ファイバ製造会社
・研究機関
この製品の主な用途は以下のとおり。
・光ファイバ素線生成における光通信検査
・ケーブル化工程における光通信検査
・敷設された光ファイバケーブルが断線した際の障害位置の特定