島津,長距離水中光無線通信装置を発売

島津製作所は,水中光無線通信装置「MC500」を発売した(ニュースリリース)。価格は3000万円(税別,青色発光と緑色発光のモデル1台ずつ含む)。

現在,水中での通信は有線もしくは音波が主流だが,有線はケーブルで水中ドローンの動きが制限され,音波は実用化されている通信速度が数十Kb/s程度に過ぎない。

水中の光無線通信では光源にLEDを使う方式が多いが,この製品は,指向性と応答速度に優れた緑色と青色(445nm(青色),525nm(緑色))の半導体レーザー光による送受信によって全二重通信(双方向通信)を実現した,高速通信と低消費電力を兼ね備えた水中での通信を可能にするモデム。

同社は同シリーズとして近距離(10m)で高速通信(95Mb/s以上)が可能な「MC100」を2020年2月に発売しているが,今回の製品は50m(20mMb/s),60m(10Mmb/s),80m(1Mb/s)と,通信速度を用途・環境に応じて切り替えることで長距離通信を可能とした(水中減衰量0.3dB/mのとき)。

さらに通信視野角40°を実現しており,揺動の大きいAUV(Autonomous Underwater Vehicle,自律型潜水機)やROV(Remotely Operated Vehicle,水中ドローン)と呼ばれる水中ロボットに搭載して,ロボット間やロボット・洋上船間などの通信を可能にする。また,太陽や照明といった外乱光の影響下においても安定した通信ができるとしている。

今回,半導体レーザーの数を6個ずつと増やし,出射部でのパワーは5W。ダイバーへのアイセーフについては実証はしていないが,ビーム角を広げているので比較的安全だという認識を示した。また,今後の実験を通じて生け簀の魚への影響も調査するとしている。

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