すばる望遠鏡,生まれつつある系外惑星を発見

著者: sugi

すばる望遠鏡は,搭載した強力な系外惑星観測装置により,今まさに生まれつつある,木星のような巨大な原始惑星が存在する証拠を初めて発見した(ニュースリリース)。

太陽系を超えた遠方にある惑星(系外惑星)がどのようにして生まれ,どのように進化しするのかを解明するためには,今まさに生まれている惑星をとらえることが不可欠となる。しかし,観測的な困難さから,年齢が100万年程度の若い惑星の観測は極めて限られていた。

惑星が,若い恒星(主星)のまわりに見られる原始惑星系円盤で生まれることが知られているが,円盤から生まれたばかりの惑星は,これまで一例しか画像としてとらえられていない。しかし,その「若い惑星」は,形成の最終段階にある進化の進んだ惑星と考えられている。

今回,ハワイ観測所,NASA,東京大学,アストロバイオロジーセンターらは,すばる望遠鏡に搭載された超補償光学系を用いた観測により,ぎょしゃ座AB星(AB Aur)の原始惑星系円盤に埋もれた,大量の物質が降り積もりつつある「原始惑星」を世界で初めて撮像により発見することに成功した。この天体の存在は,ハッブル宇宙望遠鏡の赤外線カメラを用いた追観測でも確認された。

一般に,円盤に埋もれた惑星と円盤の小さな構造を区別することは困難だが,円盤からの光は反射によって偏り(偏光)が生じるため,偏光観測により,主星からの光を反射して光る円盤と,自身で光を放つ惑星を区別することができる。

そこで,すばる望遠鏡の超補償光学系による偏光観測を行なったところ,発見された天体が円盤中の微細構造ではないことが確認できた。また,同じ超補償光学系に搭載された可視光装置により,この惑星に多量の水素ガスが落ち込んでいることが示された。

主星の年齢が約200万年と非常に若く,惑星のまわりにはまだ多量の物質が見られるため,この惑星「AB Aur b」は,今まさに生まれつつある惑星,いわゆる「原始惑星」の最初の例と考えられるという。同時に,すばる望遠鏡やアルマ望遠鏡でこれまでに発見された,AB Aurを取り巻く原始惑星系円盤のギャップや渦巻腕などの構造の原因が,惑星による円盤への影響であることを実証したことにもなる。

「AB Aur b」は,木星の約4倍の質量をもち,主星から地球-太陽間距離の93倍も離れた軌道を公転している。このことから「AB Aur b」は,太陽系の木星型惑星とは異なる惑星系形成モデルの証拠となるという。

研究グループは,若い星の周りで見つかったこの惑星は,惑星形成理論に重要な示唆を与えるものだとしている。

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