凸版印刷は,会社分割により半導体用フォトマスク事業を行う新会社「株式会社トッパンフォトマスク」を設立し,独立系投資ファンドのインテグラルを出資パートナーとして,株式譲渡契約を締結したと発表した(ニュースリリース)。
世界的な半導体不足を背景に,半導体製造に不可欠な回路原版としてフォトマスクの需要がこれまで以上に高まっている。
凸版印刷は,1961年にフォトマスク事業を開始して以来,日本から欧米,アジアへと製造拠点の拡大を進めてきた。現在同社は,ワールドワイドな生産体制を構築する唯一のフォトマスクメーカーとして,半導体用フォトマスクの外販市場におけるトップシェアを占めている。
一方で,半導体市場の急速な成長により,フォトマスクの市場は変曲点を迎えており,事業の継続的な拡大・成長のためには,市場環境の変化,顧客動向などを見極めながら,これまで以上に迅速かつ柔軟な研究開発投資と設備投資を行なうことが求められているという。
このような環境において,フォトマスク事業を会社分割により分社化をしたうえで,独立した企業体として経営の自由度を高めることで,市場のニーズを捉えた投資を俊敏に実行し,さらなる成長と競争力の強化を実現・継続できるとして,今回の決定に至ったとする。
新会社は凸版印刷の連結子会社としてサポートを受けながら半導体用フォトマスクの製造を継続するとともに,インテグラルからの経営・ノウハウ面での支援により経営・ガバナンス体制を強化し,株式上場を目指して事業を推進する。
また,凸版印刷の半導体関連事業については,需要の旺盛なFC-BGA基板への対応強化を図るとともに,成長領域に対して,部材・デバイスの開発・提供を行なっていくとしている。