シャープマーケティングジャパン(SMJ)と法政大学は,構造色を高精細8Kの3DCGで表現する手法を開発した(ニュースリリース)。
構造色とはは,物体表面の微細な構造によって特定の波長範囲の光が反射されることによる発色現象。見る角度や光の当たり方によって色が変化して見えるのが特徴で,タマムシの外殻やアワビの貝殻,シャボン玉などで見られる。
シャープとSMJは,美術品や工芸品,文化財などを8K解像度で3DCG化し,8Kディスプレー上で細部まで鑑賞できる「8Kインタラクティブミュージアム」を開発。これまで,8Kによる表現力を文化・教育領域で応用し,茶碗や仏像などの鑑賞ソリューションを提案してきた。
今回研究グループは,市販の油滴天目茶碗を用い,表面の微細構造による光の干渉を分析した。これは,特殊な技法で焼き上げることで,鉄を主成分とした鉱物が結晶化し,器の内外に油の滴のような小さい斑点模様が見られる茶碗。
研究グループは,光の当たり方で変化する色の再現方法について検証を繰り返し,3DCGで構造色を表現する手法を開発した。これにより,構造色を含むコンテンツの開発が可能となり,8Kの表現力が向上するとしている。