オリンパスは,2020年12月30日,両社が締結した合意契約に基づき,呼吸器インターベンション分野(気管支鏡を使った治療・診断)に注力する米Veran Medical Technologies(VMT)の株式100%の取得を完了したと発表した(ニュースリリース)。取得価格約340百万ドル(約354億円)。
肺がんは,がんの中でも罹患率・死亡率ともに世界1位の疾患となっている。
昨今では低線量CT検査の普及・拡大により,肺野部(気管支末梢領域)の病変が発見されることが増えてきており,病変部の組織や細胞を採取し確定診断を行なうため,気管支鏡検査が行なわれる機会が増えてくることが予想されるという。
VMTが持つ電磁ナビゲーションシステムは,細く枝分かれした気管支末梢部への気管支鏡や処置具の挿入を支援するシステムであり,気管支末梢部にある病変の位置の特定や,病変部の細胞採取をサポートする。
気管支鏡およびラジアルEBUS(気管支内超音波)などオリンパスの既存の呼吸器科向け製品と組み合わせて使用することで,病変部へのスムーズなアクセスや,肺がんの確定診断における更なる貢献が期待できるという。
今回買収により,同社の呼吸器事業の製品ラインアップが強化されるだけでなく,VMTにより北米における販売体制が大幅に強化され,呼吸器科市場における競争力を向上させるとしている。