ウシオ,高周波対応エキシマ照射装置を開発

ウシオ電機は,「高周波デバイス向けRoll to Rollエキシマ照射装置」の開発に成功したと発表した(ニュースリリース)。

5Gに代表される高速,低遅延,多数接続な通信環境は,CPS(Cyber Physical System)の進展に重要な要素で,今後も技術革新が求められている。

通信デバイスにおいても同様に,高周波対応のための部材/製法の検討が行なわれているが,伝送損失を減らすために低誘電材料を採用した場合には,誘電正接(tanδ)/比誘電率(εr)が小さいほど,接着性が悪化する,また,従来のアンカー法から低粗度での接着に変更した場合は低粗度/平滑化すると伝送損失は小さくなるが接着性が悪化するという課題があるという。

そこで同社は,フレキシブルプリント基板への高周波対応基材/難接着性基材の接着力向上に最適なこの装置を開発。この装置はエキシマ光による処理の為,基材最表面だけを改質することで,伝送損失の要因となる基材粗化を起こさずに接着力を向上させ,高い光源/雰囲気制御技術により,均一性の高い処理が可能だという。

また,大気圧処理/コンパクト設計により,従来工程への追加搭載やインライン処理が可能で,生産性の大幅な向上を実現。ドライ処理のため,リンスや乾燥工程が不要で,液晶用ガラス基板の洗浄・改質用途で長年実績のある同社製エキシマランプ「HP-V」シリーズを対向設置することにより,省フットプリント/Roll to Rollでの高速両面処理を実現する。

さらに,廃液が不要なため薬液/廃液コスト/環境負荷の低減につながるとし,完全水銀フリーで,CF4などの温室効果ガスやNH3などの特殊ガスが不要。加えて,照度測定による工程管理が可能で,条件出しの簡便化/安定生産を実現するという。この装置は2022年度中に販売開始の予定としている。

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