NECは,通信機器のオープン化に取り組むグローバルなコミュニティ「Telecom Infra Project」(TIP)のOpen Optical & Packet Transport(OOPT)プロジェクトグループが推進する,光伝送領域のオープン化に向けた「Phoenix(フェニックス)」プロジェクトに参加すると発表した(ニュースリリース)。
Phoenixは,オープンかつハードウェアとソフトウェアが分離された大容量DWDM(高密度波長分割多重)ネットワークに適用される400Gトランスポンダの開発を行なうプロジェクト。
今回NECは,Phoenixが目指すハードウェアとソフトウェアが分離した完全なディスアグリゲーションモデルを提案したことが評価され,同プロジェクトに参加することになった。
光伝送システムにおけるハードウェアとソフトウェアを分離することにより,用途に応じて多種多様なハードウェアとオープンソースソフトウェアを組み合わせることができるようになり,通信事業者は運用条件に応じて柔軟かつ最適な伝送システムを実現することが可能になる。
同社はこれまで,RAN(Radio Access Network)領域のオープン化を積極的に推進してきたが,同プロジェクトへの参加により光伝送領域におけるオープン化も推進し,この領域におけるイノベーションの促進に貢献したい考え。
具体的には,Open RANにおける商用モバイルネットワークの構築とエコシステム構築および運用支援の実績,光伝送システムにおけるキャリアグレードのネットワーク構築の経験を活かし,ネットワークのオープン化を推進する。
光伝送領域のオープン化は,最適なコストで柔軟にシステムの構築が可能となる一方で,マルチベンダ環境での機能・性能の担保や,高度な運用が求められるため,高信頼のネットワーク構築の経験を持つシステムインテグレーターの貢献が必要とされているという。同社はこのプロジェクトではオープン化に対応したアーキテクチャを活用して,システムインテグレーターの役割を担う。
開発予定のトランスポンダの特長は以下の通り。
・ハードウェア,ソフトウェアの多様な組み合わせにより最適なソリューションを実現
・通信事業者は,市場に存在する様々なハードウェアとソフトウェアから自由に選択できるようになる。また,多様なネットワーク要件に対して,コストや品質,デリバリーなどあらゆる観点で最適なソリューションを導入することが可能になり,最新技術の導入も容易に
・安心かつ持続可能なマルチベンダ環境の実現
・様々なベンダの製品の組み合わせに対し,品質・性能を担保するインテグレーションサービスや,オープンソースソフトウェアのメンテナンスサービスなど,通信事業者が安心してマルチベンダ環境のネットワークを運用するために必要なサービスの提供