ams OSRAMの日本法人オスラムオプトセミコンダクターズ ジャパンは,VCSELモジュール「Bidos P2433 Q」を発表し,3Dセンシングのポートフォリオを拡充した(会社HP)。
拡張現実(AR)や仮想現実(VR),その他3D対応のアプリケーションでは,優れたユーザーエクスペリエンスと小型・軽量化の両立が求められているが,3Dセンシング市場において,垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)は,その優れたビーム品質,コスト効率,シンプルな設計により,大きな影響力があるとする。
「Bidos P2433 Q」は,2つの異なる照射領域と2つの出力レベルを含む4つのバージョンがある。VCSELをベースとしたモジュールのサイズは3.3mmx2.4mmで,シーンを均一に照明する必要があるToF計測を用いた3Dセンシングアプリケーションに適しているという。940nmの波長により,すべてのモジュールは人間の目にフリッカ(ちらつき)として認識される赤色光の影響を受けずにすむ。
ユーザーはこの製品をはじめとするコンポーネントを使用することで,さまざまなジェスチャーを確実にキャプチャし,ユーザーとAR/VRグラス間の相互作用を新たなレベルに引き上げることが可能となり,また,小型パッケージがユーザーの設計自由度を高めるという。
6.5Wの高出力モジュール2つは,デュアルジャンクションVCSELを採用しており,最大45%の高効率を実現。さらに,目の安全のための特別な保護機構として,フォトダイオードモニタリングシステムがモジュールに組み込まれている。光学系の損傷などにより,光の入射状態の変化をフォトダイオードが検知すると,VCSELへの電流供給を遮断できる。
4つの新モジュールは,3Dジェスチャー認識以外にも,産業用ロボットの障害物回避やバーチャルフェンス,さらにはスマートドアロックやPOS端末の3D顔認証システムなどへの応用が可能だとしている。