ソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)とノルウェーの衛星関連サービス会社,コングスベルグ・サテライト・サービシズ(KSAT)は,国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」日本実験棟に設置した小型光通信実験装置「SOLISS」(Small Optical Link for International Space Station)と,ギリシャに設置された世界初の商用光地上局までの光ダウンリンク確立に成功した(ニュースリリース)。
SOLISSは宇宙航空研究開発機構(JAXA)とソニーCSLが軌道上技術実証のために共同開発した,長距離空間大容量データ通信を目的とする小型衛星光通信システム。光通信部にはソニーグループの光ディスク技術が使用されている。
今回SOLISSと通信を行なったギリシャの光地上局は,KSATが運営する世界初の商用かつOptical Nucleus Networkの光地上局。Optical Nucleus NetworkはKSATが他の宇宙・産業機関と連携して構築した独自のネットワークで,宇宙での光通信サービスを提供するための光地上局ネットワークの構築を目的としている。
なお,通信形式には宇宙データシステム諮問委員会(CCSDS)の推奨規格(141.0-B-1 + pink sheets for O3K)が使用された。
今回の成果についてソニーCSLは,宇宙光通信の商業化に向けた重要なマイルストーンであるとしている。