阪大,重力マイクロレンズ法で系外惑星を証明

大阪大学の研究グループは,重力マイクロレンズ法による太陽系外惑星探査の結果から,恒星から遠い軌道を回る,例えば木星や海王星のような冷たい惑星は,銀河系内での位置に大きく依存せずに普遍的に存在することを世界で初めて明らかにした(ニュースリリース)。

重力マイクロレンズ法による惑星探査は他の手法と違い,惑星系の主星の光を検出する必要がないため,太陽系から遠く離れた銀河系の惑星系も見つけることができる。

しかし,重力マイクロレンズ法で個々の惑星系までの距離を測定することは難しく,これまで,太陽から20000光年ほど離れた,銀河系バルジに惑星はない可能性を指摘した研究があったが,不正確な距離測定のデータに基づいており,よくわかっていなかった。

研究グループは,重力マイクロレンズ法で見つかる全ての惑星系に対して正確に測定しやすい,アインシュタイン角半径という物理量に注目。これは,惑星系の質量と惑星系までの距離の兼ね合いで決まる量なので,惑星系までの距離そのものを使った方が一つの測定データから得られる銀河系内の惑星分布に関する情報は濃くなるが,①全ての惑星系に対して偏りなく測定されている,②不正確な測定結果を含む可能性をほぼ排除できる,という利点がある。

重力マイクロレンズ法で見つかった28個の惑星系(全て恒星から遠い軌道を回る冷たい惑星)に対して測定されたアインシュタイン角半径の分布と,銀河系の星のモデルから期待されるアインシュタイン角半径の分布を比較し,銀河系中心から太陽系近傍まで,徐々に惑星の存在率が変化するというモデル(べき関数モデル)で観測結果を説明できるものを調べた。

その結果,例えば銀河系中心から3000光年の位置(銀河系バルジ内)にいる星は,銀河系中心から25000光年離れた太陽系近傍の星と比較すると,0.3倍から1.5倍の持ちやすさで惑星を持つことがわかった。

これまで,銀河系バルジに惑星はない可能性が指摘されていたが,この研究の結果,木星や海王星のような遠い軌道の冷たい惑星は,銀河系バルジから太陽系近傍まで,銀河系内の広い範囲で存在することがわかったという。

この成果は,木星や海王星のような遠い軌道の冷たい惑星は銀河系内の様々な環境下で形成され,長期間安定して存在できることを示唆している。研究グループは,惑星の形成過程を解明する上で重要な手掛かりとなるものだとしている。

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