横河計測,光スペクトラムアナライザを発売

横河計測は,光通信波長帯1200nmから1650nmにおいて,光スペクトルを高い波長分解能と広いダイナミックレンジで測定する研究,開発者向け光スペクトラムアナライザ「AQ6380」の発売を8月31日から開始する(ニュースリリース)。価格は580万円~(税抜)。

近年,光通信分野では,IoT,クラウド,5Gなどの通信サービスの拡大による大容量高速光通信ネットワークの需要拡大に対応するため,バックボーンからアクセスまで波長分割多重技術が広く採用されている。このような高度な技術を実現するための光学デバイスや光コンポーネントの特性や品質評価には,より高い性能を持つ測定器が求められており,特に次世代光トランシーバや高密度波長分割多重技術では,より高い分解能や広いダイナミックレンジ性能が求められているという。

この製品は,幅広い波長範囲をカバーでき,レーザー光から広帯域光までの測定にも応用できる分散分光方式を採用しているため,レーザー光,広帯域光源,光受動部品など,多様なアプリケーションに使用される光部品や装置の測定に利用できる。測定分解能は,現行製品と比較して4倍高い5pm,波長確度は,2倍の5pmを実現。自動自己波長校正機能により高い波長確度を維持し,今まで観測することが難しかった10GHzで変調された半導体レーザーの発光スペクトルも鮮明に観測できるという。

入力光に起因するノイズを抑圧する性能に優れ,ノイズ抑圧比は80dBを実現。レーザーのサイドモード測定などレベル差のある光スペクトルを高速かつ高ダイナミックレンジで測定する。連続波の光測定に特化した新しい感度モード「RAPID」を搭載し,代表的な測定条件下において,現行製品の最大20倍のスピードで光スペクトルを測定する。

マルチタッチ対応の大型タッチパネルにより直感的な操作性がさらに向上しているとし,タブレット端末を操作しているかのような感覚で,測定条件の変更,測定や解析の実行,光スペクトルビューの変更などを行なうことが可能。分光器内の空気に含まれる微量な水蒸気を除去して特定の波長の光の吸収を抑制する機能を搭載し,被測定光本来の光スペクトルの測定を可能にするとしている。

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