カシオ計算機は,プロジェクションモジュール「LH-200」を,今後の拡大が見込まれるスマートホーム/ビルディング/ファクトリーなどの分野に向けて,9月上旬より発売し,小型プロジェクションによる“組込領域”での事業を開始する(ニュースリリース)。
出力された映像によって,現実空間にデジタル情報を表示し,拡張現実を生み出すプロジェクションARは,IoTやAI技術を活用したスマート化が進む次世代社会の表現手法として注目を集めている。
新製品は,建物内や施設内などへの組込専用プロジェクションモジュール。高輝度かつ小型なハード性能により場所を選ばず多種多様な情報が投映できるほか,設置場所や導入するシステム用途に応じてフレキシブルに運用できるよう拡張性能を備える。
基本性能は,外形寸法215×43×152mm,重さ約1kg。レーザーとLEDを光源とし,明るさは2,000ルーメン。解像度はWXGA0.65型DLPチップ1,024,000画素(1280×800)となっている。
例えばこの製品を,スマートホーム分野では建物や照明装置などに組み込むことで,空間への照明や情報の投映により快適な生活空間を実現する。スマートビルディング分野ではライティング誘導システムなどに組み込むことで,移動ナビゲーションとして円滑な移動と案内業務の省力化を支援する。両分野ともに業界トップの企業との協業を進めているという。
さらに,スマートファクトリー分野では,工場での製造工程やピッキングシステムでの投映により,ミスの軽減や作業効率の向上をサポートする。沖電気工業が進める「Manufacturing DX」では,小型で高輝度な同社のプロジェクターが柔軟な製造環境の構築へ利用される。
また,マシンビジョンシステムへの光源として組み込むことで,現場における労働力不足を解決する自動化の推進に貢献する。東京エレクトロンデバイスの3Dロボットビジョンシステム「TriMath」では,この製品の小型かつ拡張機能により,「TriMath」で取り扱う多種多様な対象物へのパターン投映などに利用されているという。