NECは,主に通信事業者や光ファイバ所有者などを対象に,世界中に張り巡らされた光ファイバをセンサとして活用可能なソリューション「NEC Intelligent Optical Fiber Sensing Solution」の販売を開始した(ニュースリリース)。標準価格は30,000,000円(税別)。
昨今,5Gの高速大容量の通信が普及する中で光ファイバの重要度が増し,ファイバの敷設が増えているが,それに伴い,ファイバの損傷等による通信障害が与える影響度も増加している。また,通信事業者や光ファイバ所有者において,ファイバ損傷時の迅速な損傷箇所の把握が困難で修繕までに時間を要することや,ファイバを管理するオペレーターや保守員の担い手不足が課題となっており,ファイバの保全・管理業務の効率化を支援する仕組みが求められていたという。
このソリューションは,既に敷設されている通信用光ファイバからのセンシングを可能とした,世界初となる同社の光ファイバセンシング技術を活用したもの。光ファイバから検知した振動をAIで分析することで,ファイバ損傷などの異常検知や損傷予防が可能となり,インフラ保全に貢献するとしている。
このソリューションは,ファイバから検知した振動を分析することでファイバを切断する可能性のある建設機械の振動源等を自動で検知することが可能。これにより,工事等によるいつもとは違う振動を把握して,偶発的なファイバ損傷の予防を実現する。
また,ファイバの正確な位置情報を地図上にマッピングできるため,ファイバに損傷などの異常が起きた際に,迅速に損傷箇所を特定することが可能。異常を検知した際は,リアルタイムでオペレーターにアラートが通知され,地図上で異常箇所を見つけることが可能となり,オペレーターから作業員への正確な指示による無駄のない修繕作業を支援するという。