古河電気工業は,光通信の広帯域化にともなうレーザー光源製品として,SUPER Cバンド,SUPER Lバンド用の新型のMicro-ITLA(波長可変光源)と,それに対応して指定可能波長範囲を拡張したラマンアンプ励起用レーザーダイオード(LD)モジュールを開発した(ニュースリリース)。
5Gの実用化において,中長距離光通信網の通信容量の増大が不可欠となる。しかしながら,高速化にともないチャンネル当たりに必要な帯域が従来の50GHz間隔から増大し,従来の帯域(Cバンド,Lバンド)では伝送可能なチャンネル数が減少してしまうため,全体の帯域を広げる(SUPER Cバンド,SUPER Lバンド)ことが検討されている。また高速伝送にともない伝送可能な距離が短くなるのを補うため,ラマン増幅器も使用されていく。
同社はこれまでCバンド,Lバンドに対応したレーザー光源製品として,Micro-ITLAおよびラマンアンプ励起用レーザダイオードモジュールを製品化してきたが,今回,広帯域に対応したSUPER Cバンド,SUPER Lバンド用の光源を開発した。
開発した多チャンネルMicro-ITLAは,広帯域化にともない必要とされる,コヒーレント光通信用波長可変光源のチャンネル数の増加に対応するため,50GHz間隔での対応波長範囲を96chから120ch対応に増加させた。
これにより対応可能な帯域が広がり,従来のCバンド:191.300~196.100THz(4.8THz幅)からSUPER Cバンド:190.675~196.675THz(6THz幅)となる。同様に今後の更なる広帯域化に対応するために,従来のLバンド:186.350~190.700THz(4.35THz幅)に対してSUPER Lバンド:184.350~190.500THz(6.15THz幅)にも対応する。
広帯域化にともなってラマン増幅器でも信号光の100nm短波側に励起光を必要とするため,対応する励起光源の波長範囲も広げる必要がある。今回開発した励起光源では,400/500/600mW品において指定できる波長範囲を,1420~1510nmから1330nm~1520nmに大幅に広げた。