東京大学,三菱電機,OKIは,サービス毎のトラフィック・データをもとに機械学習にて需要予測し,通信リソースを自動で割当制御する技術を,「PONリソース管理・割当制御技術」に適用し,スライス・リソース自動制御に成功した(ニュースリリース)。
研究グループはこれまで,仮想的なPONを構築するオーケストレータ(東京大学担当),光アクセスシステムをPONなどのネットワーク形態に依存しない形態に抽象化して通信リソースの管理制御を行なうSDNコントローラー(SDNC)(三菱電機担当),およびPONリソースの割当制御を行うVOLTHA/vOLT形式のPON仮想化(OKI担当)の研究開発を行なってきた。
今回の実験では,5GのRAN(Radio Access Network)における多数の基地局の収容にPONを使用した光アクセスネットワークをモバイル・フロントホールとして使用することを想定し,モバイル・フロントホールのネットワークリソース利用の高効率化を実現するため,サービスごとの変動するトラフィック・データを収集し,収集データによる機械学習からトラフィック需要予測情報をPONシステムに提供することで,予測にしたがった無駄のないPONスライス・リソースの自動割当制御を実現した。
実験では,サービスに対応して論理的に分離された仮想ネットワークのサービスごとの変動トラフィックを,FLAREを使用した振舞いを監視ノードで収集・データベース化し,収集データから各サービスのトラフィックの変動パターンをオフラインで機械学習した後,リアルタイムのトラフィックデータからオンライン学習にてトラフィック需要予測する。サービススライスごとに予測した情報をSDNコントローラに提供することで,VOLTHA /vOLTのリソース管理が自動制御できることを実験実証した。
研究グループは今後,機械学習を使ったAIによるBeyond5Gのモバイルネットワークに向けた通信リソース運用管理の自動化に加え,ネットワークのトラフィック異常検知あるいは予測によるプロアクティブ制御技術の開発に取り組むとしている。