古河電工,新規事業にライフサイエンスを設定

古河電気工業は,新たな事業領域としてライフサイエンス領域を設定し,高度な光学測定技術を用いた測定プラットフォームを開発するアトナープに対して戦略的出資の実行と共同開発契約を締結したと発表した(ニュースリリース)。

共同開発契約においては,アトナープが開発を進めるライフサイエンス向け測定プラットフォーム「ATON-360」の実用化に向け,総合的なフォトニクス技術をアトナープに提供し,「ATON-360」に求められるフォトニクス部品(光学モジュール)を供給することも検討する。

両社は,「ATON-360」の高精度化・小型化・低コスト化や非侵襲測定機能の実用化,測定データの分析・活用による革新的なサービス開発の事業化支援を行ない,「ATON-360」を搭載する診断機器の普及を目指す。なお古河電気工業は,戦略的出資としてアトナープが発行するD種優先株式の引受けを行ない,払込みを完了しているという。

今回の出資を通じ,古河電気工業はライフサイエンス用測定プラットフォームの改良およびデジタル・トランスフォーメーション(DX)を活用したサービス提供を含む事業化支援を含む,ライフサイエンスの新規事業創出に挑戦するとしている。

古河電気工業は4つのコア技術(メタル・ポリマー・フォトニクス・高周波)を保有し研究開発を行なっている。とりわけ,高デルタPLC(Planar Lightwave Circuit,平面光回路)や光ファイバ,レーザーに代表される光部品の設計開発力や,光部品を統合する設計開発力を含む総合的なフォトニクス技術は,測定・診断技術の高速化や高精度化,治療時の患者ダメージの低減に貢献でき,今後の医療水準の向上に重要な役割を果たすものと期待されており,同社はそれらを生かした新規事業化に取り組む。

新規事業化にあたっては,既存の医療技術の改善から早期診断,未確立の医療技術開発,既存の情報通信インフラとの融合によるDX化まで,ライフサイエンス領域を取り巻く社会環境を俯瞰して幅広い医療ニーズへの対応に挑戦する。さらに,同社と同じ考えを持つ他社とのアライアンスを進め,社会課題の解決と着実な事業化を図り,古河電工グループ ビジョン2030に掲げる安全・安心・快適な生活の実現を目指すとしている。

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