JOLEDは3月29日,有機ELディスプレー「OLEDIO」の製品出荷を開始したと発表した(ニュースリリース)。
蒸着方式とは異なる,印刷方式での有機ELディスプレーの量産は,世界初となる。同社は10~32型の中型サイズ,高性能・高品質の有機ELディスプレーを,「OLEDIO」ブランドのもと,ハイエンドモニター,医療用モニター,そして車載などの用途向けに生産していく。
有機ELディスプレーは,高コントラストでソースに忠実な色再現性や高速応答性など,自発光型ならではの高い画質特性を有している。同社Dは,RGBの有機EL材料を印刷により塗布し発光層を形成する,独自の「TRIPRINT」技術により有機ELディスプレーを製造している。
印刷方式は高い技術力が必要とされる一方,生産工程はシンプルで効率的であり,また既存のRGB蒸着方式では難易度の高い中型から大型サイズの製造に適していることから,有機ELディスプレーの製造に革新をもたらす技術として期待されてきた。
同社は印刷方式に特化して研究・開発を進め,2017年にパイロットラインでの生産を開始。2019年に量産ラインを稼働しサンプルの試作を進めてきた。今回,試作から量産へ移行し,販売拡大を目指す。
同社はRGB印刷で有機ELディスプレーを製造することで,有機EL分野において独自の地位を築きたいとしている。