NTT,OPAで容量2倍超の光増幅中継器を実現

日本電信電話(NTT)は,広帯域な光増幅を可能とする光パラメトリック増幅技術(OPA)を光増幅中継器に適用した広帯域波長多重光伝送実験に世界で初めて成功した(ニュースリリース)。

現在の光ファイバ伝送システムでは,光増幅器EDFAが増幅可能な約4THzの光帯域に光信号を波長多重し,光信号1波長あたりの伝送容量をデジタルコヒーレント技術により拡大することで,伝送システムの大容量化を行なってた。

同社が提唱するIOWN構想を構成するオールフォトニクスネットワークにおいては,豊富な波長資源を活用したフレキシブルな光ネットワークの実現をめざしており,従来の1波長あたりの大容量化とともに,利用可能な波長資源(光帯域)の拡大が求められている。

そこで同社は,広帯域かつ低歪みな光増幅技術として,PPLN導波路を用いた光パラメトリック増幅に着目し,研究開発を進めてきた。PPLN導波路による光パラメトリック増幅では,単一偏波の信号のみが増幅可能で,単純な光増幅にとっては不要な位相共役光が発生するため,現在デジタルコヒーレント方式で用いられている偏波多重光信号の光増幅中継器として,更なる広帯域化やトラヒックに応じた安定な光信号の挿入抜去を行なう際の課題となっていた。

今回,モジュール化したPPLN導波路(PPLNモジュール)を8個用いて,新たな増幅器構成を提案し,偏波多重光信号の増幅および,利得15dB以上で10.25THzの増幅帯域を実現した。この成果では,NTTの超高速信号生成技術を用いた1波長あたり800Gb/sの偏波多重PS36QAM信号を検証信号として,利得飽和領域において,単一波長,波長多重信号入力ともに低歪な信号増幅を確認した。

また,オールフォトニクスネットワークにおける波長資源の活用で想定される波長数の高頻度な変動を模擬し,1波長と41波長の入力信号切り替えに対する高速応答性も確認した。さらに,開発した光パラメトリック増幅器を,1波長あたり800Gb/sの波長多重信号伝送に光増幅中継器として適用し,光帯域が10.25THzまで拡張可能なことを実証した。

この光パラメトリック増幅の10THzを超える広帯域性と増幅性能は,光ファイバが最も低損失となる波長領域(S,C,L帯)をカバーし,従来増幅器(EDFA)の2倍以上の広帯域化が期待できるもの。今後,この増幅技術を用いた中継伝送技術の確立をめざすとしている。

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