⽇本電気硝⼦は,信頼性の⾼いLED,LD,センサーのパッケージを実現するため,リッド(ふた)とキャビティ(箱)との封着後に,リッドとはんだとの熱収縮の差により発⽣する応⼒を低減させる下地膜の開発に成功し,⾦錫(AuSn)はんだを⼀体化した「シール材付きリッド」のサンプル供給を開始した(ニュースリリース)。
LEDやLD,センサーの素⼦は⼀般的に⼤気中の⽔分に弱く,リッドとキャビティを封着する材料には,⻑期間の⾼温・⾼湿度の環境や紫外線に晒されても劣化しない⾼い信頼性が求められることから,⾦錫はんだが最も適している。
しかしながら,リッドとはんだとの熱収縮差により封着後に発⽣する応⼒のためリッドが破損しやすく,歩留まり低下や⻑期信頼性低下が⼤きな問題となっていた。
今回開発した下地膜は,その独⾃の構造により応⼒を80%低減させることに成功し,リッドの破損を⼤幅に抑制することが可能となった。また,通常,封着⼯程でははんだプリフォームが使⽤されるが,リッドとプリフォームとの位置ずれが作業性の低下およびリッド破損の要因の1つになっていた。
そこで,下地膜と⾦錫はんだをリッドの全周囲に枠状に⼀体化する世界初の技術により,これらの問題も解決可能となったという。さらに,この⼀体化する技術は,⾼強度であるサファイアや深紫外線透過率の⾼い⽯英ガラスのリッドにも適⽤可能なため,⾼い信頼性を要求される次のような⽤途への展開が期待できるとしている。
・ウイルスの不活化,居住空間の空気殺菌・表⾯殺菌に利⽤される深紫外線LED
・⾮常に⾼温となる⾞のヘッドライト光源やプロジェクターの光源
・5G⾼速光通信⽤レーザーの光源
・レーザー加⼯機の光源
・⾼い性能と信頼性が要求される宇宙・航空⽤の各種センサー
また,リッドには反射防⽌膜,バンドパスフィルター等の⾼機能膜の成膜も可能。同社は今回開発した下地膜を使った「シール材付きリッド」を市場に供給することにより,特にハイエンド領域のデバイスの開発・量産化の実現に貢献するとしている。